FXで損切りができないと1回のトレードで大損することがあり、最悪のケースでは追証が発生して全てを失ってしまいます。しかし、損切りを頻繁に繰り返していると、資金がじわじわと減ってきて「損切り貧乏」になってしまいます。
FXで勝つには損切りが必要ですが、損切りのルールを決めておくことが大切です。損切りのルールを決めておくことで、FXで大損したり損切り貧乏になることを防げます。
この記事ではFXで大損したり損切り貧乏になることを防ぐための「損切りルール」について解説します。
FXで損切りが必要になってくる理由
FXはレバレッジを効かせることで、少ない資金を大きく増やせる可能性があります。しかし、予想が外れた場合は損失がどんどん膨らんでくるため、損失を限定させるために損切りが必要になってきます。
損切りをせずに含み損を抱えたままの状態で放置しておくと、最終的には強制ロスカットされてしまい、退場を余儀なくされます。値動きの変動が大きい時は強制ロスカットのタイミングが遅れることがあり、証拠金が不足して追証請求されることもあります。
このような最悪の事態を避けるためには、適切なタイミングで損切りをすることが必要です。相場が予想とは反対の方向に動いてしまった場合は、早めに損切りをすることで最悪の事態に備えられます。
資産200億円を築いた著名なトレーダーのBNF氏も損切りの重要性を強調しており、損切りの必要がある時はためらわずに損切りをしていると述べています。予想が外れた場合はためらわずに損切りをすることが、FXで勝ち続けるためには不可欠です。
FXで損切りができない理由
FXで勝ち続けるためには、損失が発生した時には損切りをすることが必要ですが、損切りをすることは心理的に強い抵抗感を伴います。損切りをすることで大事なお金が減ってしまうことを受け入れるのは、誰もが抵抗を感じるのは当然です。
プロのトレーダーは損切りすることを損とは考えず、投資の必要コストと考えています。どのような商売をするにしても一定のコストがかかりますが、それはFXでも同じです。損切りを「FXの必要コスト」と考えることで、損切りに対する抵抗感は薄れてきます。
商売で収益を増やすためにはコスト削減が大切になりますが、FXも損切りによる損失額を減らすことが収益アップにつながります。
損切りには「良い損切り」と「悪い損切り」がある
FXで勝ち続けるには損切りをすることが不可欠ですが、損切りを繰り返していると資金が徐々に減ってきて、最終的には資金が枯渇してしまいます。これを防ぐには正しい方法で損切りをすることが必要です。
損切りには「良い損切り」と「悪い損切り」があります。良い損切りはFXで勝ち続けるには絶対必要ですが、悪い損切りを繰り返していると、大損したり損切り貧乏になってしまいます。
事前に決めておいた「損切りルール」に従って損切りを決行し、損失を最小限に抑えられれば良い損切りだと言えるでしょう。一方、悪い損切りは損切りルールを守らずに損切りをしたり、損益比率が1を下回る損切りをすることです。
悪い損切りのほとんどは、損切りルールを守っていないか、損切りのタイミングが早すぎるか、損切りのタイミングが遅すぎるかのどれかです。
大損したり損切り貧乏にならないための損切りルールの作り方
損切りルールを作る際には、トータル的な利益が損失を上回るように、損切りと利確のタイミングを決めるようにします。「利食い幅の半分以下」が損切りラインの目安であり、このように設定することでトータル的な利益が損失を上回るようになります。
損切りラインを「利食い幅の半分以下」にするには、利益と損失の比率を2:1以上にすることが必要です。損切りルールの一例ですが、「プラス40pipsで利確、マイナス20pipsで損切り」というルールが考えられます。
このようなルールを作っておくことで、むやみに損切りを繰り返して損切り貧乏になることを防げますし、大損を防止してトータル収支をプラスにすることが可能です。
このルールだと、勝率が50%以下であっても利益が損失を上回り、トータル的にはプラス収支になります。このルールでトレードを続けた結果、トータル的にマイナス収支になった場合は、エントリーのタイミングに問題があることが考えられます。
トレードをやり過ぎると、間違ったタイミングでエントリーすることが増えるので、勝てるチャンスがある時だけエントリーすることを徹底させることが大切です。常にポジションを持っておこうとする「ポジポジ病」にならないように注意しましょう。
損切りルールを厳守して定期的に見直しをする
損切りルールを作っても、ルールを守らなければ意味がありません。エントリーと同時にストップ注文(逆指値注文)をしておくと、強制的にルールを守れるようになります。
「プラス40pipsで利確、マイナス20pipsで損切り」という損切りルールの場合だと、ドル円で107円でエントリーしたら106円80銭でストップ注文を出しておきます。予想に反して値下がりした場合は強制的に損切りされ、損失は1通貨あたり20銭に限定されます。
損切りルールを作成したら厳守することが必要ですが、定期的に見直して改善することも大切です。損切りルールを守っていることでプラス収支になっている場合は大幅な見直しは不要ですが、マイナス収支になっている場合は大幅な見直しが必要でしょう。
損切りルールを改善するにはトレードの記録を取っておくことが必要であり、過去のトレード記録に基づいて改善するようにします。マーケットに参入したポイントとチャートを保存しておき、感覚だけに頼らずにデータに基づいて改善することが大切です。
損切りとメンタル管理
FXでは勝率を100%にすることは不可能であり、どんな人でも負ける時があります。FXで負ける時があるのは当然なので、上手に負けることが大事になってきます。上手に負けるために損切りをするのであり、損切りはFXの必要経費のようなものです。
しかし、人間は機械ではないので、損切りをするとメンタルに悪影響を及ぼします。頭では損切りの必要性は納得していても、損切りをすると大切なお金が減少するのでショックを受けるのは当然です。
ショックを受けた状態でトレードを続けても、冷静な判断ができずに、特にエントリータイミングを急いでしまいがちです。エントリーポイントを間違えてしまうと、高い確率でトレードは失敗します。
ショックから立ち直るためには、まずは心身を休めてリラックスすることが必要です。ショックが大きかった場合はしばらくFXをするのをやめて、相場のことは考えないようにしましょう。
ショックから立ち直ってきたら、どこが悪かったのかを検証して、必要であればルールを見直します。このようにすることで負けたことが良い教訓になり、最終的な勝利につながります。
まとめ
・損切りは投資の必要コストと考える
・利益と損失の比率が2:1以上になる損切りルールを作る
・エントリーと同時にストップ注文をする
・トレードの記録を取っておき定期的にルールを見直す
・損切りをしてメンタルの状態が悪くなったらトレードを休む
FXでは99回の勝負に勝ったとしても、1回の大敗で全てを失ってしまいます。これを防ぐには損切りを徹底するしかありません。しかし、損切りを頻繁に繰り返していると損切り貧乏になってしまいます。
利益と損失の比率が2:1以上になる損切りルールを作成し、エントリーと同時にストップ注文することで、FXで大損したり損切り貧乏になるのを防げます。損切りルールは定期的に見直して改善することが大切です。